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「AERA」 2001年1月号
掲載記事
『病とともに生きる』― 長く、治らない病気と向き合うということ ― より抜粋
でも、病気になって見えてきたものも、たしかにある。 あなたなら、病気と、どう折り合いをつけて生きますか。
川田 ゆかりさん(41)は、アメリカ、サンフランシスコで、不妊治療などの医療情報を提供するイントロメッド株式会社を経営している。
川田さんはいま、発病前の四分の一以下の視力しかなく、暗いところではまったく見えない。「失明する」と宣告されているが、それがいつになるのか、医師にもわからない。
十二年前、日本人の夫(41)と結婚。数年間、不妊に悩んだ。病気の遺伝的要素を継がせてしまうかもしれないが、当時は、とにかく子供がほしかった。結果的には自然に授かり出産。娘は五歳になった。毎年、祈るような気持ちで検査に連れてゆく。いまのところ発病は認められていない。娘を出産したころから不妊治療の仕事を始めた。
「どうしたら身体的苦痛を最小限にして、かつ一番ハッピーな状態でいられるのか」。不妊に悩む日本人カップルとともに考える。その時間が「自分自身へのセラピー」でもある。自分の病気について語ることは、それを認め、受容してゆくことにつながる。そう感じている。
残り時間は少ない。常時、二十組ほどのクライアントを抱え、多忙な日々だ。「私の病気はなすすべがないのですけれど、治せる病気は治してさしあげたいんです」
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